TOPへ

速記原文帳製作用万力の製作

○概要
速記の際には「原文帳」と呼ばれる、速記文字を書く用のノートが大量に必要です。
一般の大学ノートや専用のノートを使っていてはノート代破産をしてしまいますので
通常速記者は書道半紙を使用して原文帳を製作しているようです。
原文帳を大量生産する場合、やはり半紙をしっかり押さえてくれる道具があった方が
生産も安定します。
ここでは以下のリンクのように天糊製本での原文帳製作を行うことを前提に
原文帳製作用万力を製作してみました。

「速記道楽」HP(https://sokkidouraku.lsv.jp/index.html)より
原文帳の作り方

○製作
1.部材加工
ホームセンターでお安いヒバ集成材を見つけましたので、
これを以下の図面のように加工していきます。
今回の万力は主に次の3つの部材で構成されます。
・板材
・足材
・押え材

板材加工図面
板材加工
書道半紙を少しはみ出させるように板材をカットするところがポイントです。

足材加工図面
足材加工
今回は30×30のヒバの角材を用いましたが、板材が浮かすことが出来れば何でもいいと思います。

押え材加工図面
押え材加工

2.組み立て
上記3つの部材を加工しましたら、次の図面のように組み立てます。
(図に書いてあるように、寸切りボルトやナットが必要です)

組立図
押え材加工

実際組み立てたものが以下の写真になります。

表面
表面

・板材と足材の固定には下穴を開けたうえでコーススレッドで固定しています。
ネジ頭が気になるのであれば木工ボンドで接着しても良いのかと思います。
・図面では押え板もヒバ集成材と書いていますが、この写真では余っていた
適当な木材を使っています。
・寸切りボルトは使用しようとしている書道半紙の枚数に応じて「必要な長さ」の
物を用意するのが良いと思います。(長すぎると締めるのが大変)

裏面
裏面

実際の使い方ですが、以下のようになります。

使い方
①半紙を置きます。上下ともにちょっとずつはみ出させるように置きます。
(設計では4mmずつはみ出ます)
紙の置き方

②押え材で紙を押えます(ナットは手で締める程度で十分押えられます)
押え方

③半紙の端がちゃんと揃っていて数mmはみ出ているか確認
押え状況確認

ここから先は上記リンクと同様に、この半紙がはみ出た部分を両方とも
液体のり(若しくは木工ボンド)を塗って乾かし、半分にカットすれば
速記原文帳が完成します。

※写真では100枚入りの半紙しか使っていませんが、1000枚でも十分
使うことは可能です。(その際、半紙の厚さに応じてもう少し長めの
寸切りボルトが必要です)


2016/10/14(Fri) 記

(C)2016 Iseba's Labo